それはとても残酷な確率でした。

日本にいる男性の数は約6200万人。その中からさらに地域性や恋愛対象となりうる年齢を考慮したとしても、私が何かしらの形で関わる可能性がある男性は数百万人はいるでしょう。

その中には私をお姫様のように扱ってくれる男性がいたかもしれまんせん。お姫様とまでは言わなくとも、対等な関係で健全な恋愛を経て平凡な結婚をしたいと言ってくれる男性がいたかもしれません。むしろそういう男性の方が圧倒的に多いはずです。

けれど私が出会ってしまったのは、嗜虐心に満ちた性倒錯者ともいえる人でした。
その男性によって私の屈辱の社内奴隷生活が始まったのです。

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私はとある企業に勤めています。手前味噌にはなりますが、社名を言えば「スゴいね!」と言われる、誰でも知っているような企業です。

それだけに学生時代は誰よりも勉強しました。当時の私を知っている人はみんな“勉強熱心な真面目な女子”という印象を抱いているはずです。
恋愛には興味がなかったわけではないけれど、それよりも勉学を優先していたため初めての恋人が出来たのは社会人になってからでした。

勉強の偏差値は高かったものの恋愛の偏差値はイマイチだった私は、社会人になってようやく初めての恋人ができたという遅い恋愛経験に少なからずコンプレックスもありました。そのせいでしょうか、恋人の前では遠慮しがちで常に受け身な態度でいました。
一方恋人はというと私とは真反対で何事にも自信に溢れ、私をリードしてくれるのが得意な人でもありました。
それだけにある意味相性は良かったのかもしれません。けれど、この人と出会わなければ私はM性癖の扉を開ける事もなかったのだと思うと、少し複雑な気持ちでもあります。

リードするのが得意だった彼は性行為においてもそうでした。

最初のセックスこそただ肌と肌を合わせて性器同士を結合させるだけのごく一般的なものでしたが、少し慣れてくるとローターやバイブといった類の玩具を使ってするようになりました。
戸惑いはしましたが“みんな使ってるから”“使った方が気持ちよくなれるから”という言葉に押されて彼の言うままに。
それからの私はさらに彼のなすがままとなりました。縛られたり目隠しをされたり、時には野外でセックスする事も。
それでも抵抗しなかったのは私が常に受け身でいたからというのもありますが、そういったアブノーマルなセックスに快感を覚えたからでもありました。
ノーマルなセックスよりも体が敏感になって、いけない事をしている背徳感で興奮度が高まったのです。

彼としたセックスの中で一番アブノーマルだと思ったのはアナルセックスだったでしょうか。彼は“みんなやってるから”と言ったけれど、そんなわけがないと頭では分かっていました。
それでも抗えなかったのは、彼が教えてくれたセックスはどれも快感だったから。普通じゃないと分かっているそれも彼が言うならきっと気持ちいいものなのだろうと思ったからです。
この時にはもう私、一般的な価値観よりも快感の方を優先するくらい、性愛に溺れていたのかもしれません。
実際にやってみたアナルセックスは、最初こそ多少痛みを感じたものの、普通じゃないセックスをしているという背徳感も相まってか、しばらく私から彼にお願いする程夢中になった時期もありました。

このように、彼と付き合う事で私は知らず知らずのうちにアブノーマルセックスが大好きな変態M女へとなっていったのです。

そんなある日の事。私は彼にとある場所へ誘われました。それはハプニングバー。
不特定多数の男性と乱交まで出来る場所だなんて思いもしなかった私は、彼に誘われるがままついて行きました。
そして彼に促されるがまま他の男性とも関係を持つ事に…
これまでのセックスと同じです。最初こそ戸惑ったものの彼の口車に乗せられて、結局その倒錯的な世界に溺れてしまったのです。

でもやっぱり不特定多数の男性との乱交より、アブノーマルでも彼とのセックスの方が良かった私は“ハプニングバーにはもう行かない”と彼に告げました。
思えば、こうしてはっきりと拒否をしたのはこれが初めてだったかもしれません。彼も“分かった”と言ってくれて、この話は終わりました。

けれどまさか、このたった一度のハプニングバーでの出来事が後の社内奴隷生活に繋がるとは、この時の私には想像すらしませんでした。

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ハプニングバーへ行った日からしばらく経った頃。
職場で妙に視線を感じるようになりました。その視線の主は清掃員のおじさんです。

というのも、私が勤務する職場のビルにはエレベーターや廊下、さらにはトイレにオフィスフロアをはじめとした共有スペースを掃除してくれる清掃員の方がいます。

それがそのおじさんでした。

私達社員が日頃使っている場所を掃除してくれて心地よく仕事が出来る環境を作ってくれる事はありがたいと思っていましたが、特にそれ以上の感情を持った事はありません。ああ、今日も清掃のおじさんが掃除をしてくれているな、というくらいにしか認識していなかったおじさんと、何故か妙に視線が合うようになったのです。
それは私が視線を合わせているというより、相手が私を見ている視線に気付いて目が合うという感じで、何か妙なものを感じていました。

ある日の事。たまたま廊下でそのおじさんとすれ違ったその時。

「こんな所にハプニングバー通いのヤリマン女がいたとはな」

と囁かれたのです。その瞬間、背中が凍り付き、さぁっと血の気が引く思いをしました。

まさかあの場所に職場で会う人間がいたなんて…

「アンタがハプニングバーで男を漁ってセックスしまくるヤリマンだって会社の人間が知ったらどう思うだろうな?」

それは違う、と抗議したかったですが、一回きりとはいえハプニングバーへ赴いた事は事実です。

「なぁ、俺ともあんなセックスしてくれよ」

これは暗に“俺とセックスしないと会社にお前の秘密をバラすぞ”という意味だと悟りました。そして私に拒否権はありません。
v

その日から私は、この掃除のおじさんの社内奴隷となったのです。

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『清掃中 ご協力お願いいたします』

この看板が立てられた部屋が目印です。
基本的にこの看板が立てられた場所にはよっぽどイレギュラーな事がない限り誰も立ち入る事はありません。

半ば無理矢理交換する事になった連絡先。メールでおじさんに呼び出されると私は周囲に人がいない事を確認して、その部屋へ入ります。

初めて奴隷奉仕をさせられたその日の場所は会議室でした。
私がドアを開けるとおじさんはズボンのジッパーを下ろし、既に半分勃起した状態の性器を露わにします。

「ほら、こっちへ来て早く舐めろよ」

私は足が進みませんでした。

私はただあの日、恋人に連れられハプニングバーへ連れて行かれただけでヤリマンではありません。確かにアブノーマルセックスは嫌いではないですが、それは彼とだからであり、好意も何も無い男性の性器を喜んで咥える趣味もありません。

「早くしろ、早く戻らないと怪しまれるんじゃないのか?」

おじさんは焦れたように催促します。おじさんの言う通りにしないと戻れない、いつまでもここにいるわけにはいかない。私は従うしかありませんでした。

「んぐっ…んんっ…!」
口を近づけると、無理矢理中へ押し込まれます。オシッコや汗、ガマン汁が蒸れたようなしょっぱく生臭い匂いと味が口の中に広がります。
思わず口を離したくなるも頭を押さえられそれもできうに私はえずきながら舐めしゃぶりました。
おじさんの性器は私の口の中で体積を増していきます。同時にトロトロとガマン汁もにじみ出てきて、私はまた吐きそうになりました。

「もういい」

おじさんは私の口から性器を引きずり出すと、今度は会議室の机に手をつくように言われました。
口内を解放された事で気の緩んだ私は素直に従いました。

するとおじさんは私のスカートを捲り上げ、荒々しくパンストとパンティをずり下ろしました。

「えっ!?あっ…」
当たり前でした。口だけで済むはずがなかったのです。
あっという間に私の下半身が露わになりました。おじさんは私の腰を両手で掴み、愛撫も何もない乾ききった膣へ性器を突き入れました。

「っ~~~~~~!!!!」

突然の衝撃、そして擦れるような痛みに声にならない声が漏れ出てしまいます。
それでもおじさんはお構いなしに私の胎内を突き上げ乱暴に犯します。

ドアを一枚隔てた廊下には何も知らない社員が行き来していて、私は使い慣れた会議室で好きでもないおじさんに犯されて…
これほどの屈辱はないはずなのに体は正直で。何度もピストンされているうちに濡れてきます。

「やっぱりこうされるのが気持ちイイのか。グチョグチョになってきたぞ」

おじさんの腰のリズムはますます速くなりそして――

そのまま中へと吐き出されてしまいました。
膣の奥で性器がドクドクと脈打つのを感じながら、やっと終わったという気持ちと中出しされ胎内まで汚されたという絶望感が私の中を渦巻きます。

「次も期待してるからな」

おじさんはそれだけ言い捨てると身なりを整え出て行きます。
外の看板が外されたら誰か来るかもしれない…それより早く仕事に戻らなくては…
私は中に吐き出されたザーメンを掻き出す事も出来ず、そのまま仕事に戻る事になりました。

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「あっ…あっ…」
「そんなに気持ちイイのか?いやらしい顔しやがって」
「あっ…気持ちイイです…!オチンポ、気持ちイイです…!!」

おじさんの社内奴隷となってから2,3ヶ月もするとその生活が馴染んでしまいました。
恋人とのアブノーマルセックスじゃなければ感じない、興奮しないと思っていたのに。私の体は自分が思っていたよりずっと欲深く、被虐性愛に傾倒してしまっていたようです。

清掃中の看板が立てられた会議室で、非常階段の踊り場で、あるいは清掃員の事務室で。

犯され、ザーメンに塗れるたびに好きでもないおじさんの社内奴隷になってしまった屈辱に溺れ、誰かに見つかってしまうかもしれないというスリルに溺れ、社内でいかがわしい事をしているという背徳感に溺れながら被虐の快感を募らせてしまいました。

この日は女子トイレでの奴隷セックス。
洗面台に手をついてバックから犯される私。目の前の大きな鏡には自らの猥辱的な顔が映ります。

「今日はいいモノ見つけてきてやったぞ」
と言うおじさんが手にしていたのは、汚物入れのごみ袋でした。
その中から使用済みのタンポンを取り出すと、無理矢理口の中にねじ込まれました。
途端にたっぷり吸った経血が口の中に溢れ、鉄臭い味が広がります。同時に生理特有の生臭い雌の味に鼻腔がやられます。洗面台には口で受け止めきれなかった経血がポタポタと垂れ落ちます。

「あんまり垂らすとスーツまで汚れるかもしれないから気をつけろよ」

おじさんは嗜虐的な笑みを浮かべながら言います。

“ちゃんと口の中で味わえよ”

という意味です。

今までにない程の屈辱に耐えながらも突き入れられる性器の律動に喘いでしまう私…

初めて付き合った恋人が彼ではなければ…
あの日、ハプニングバーなどに行かなければ…
そこにおじさんがいなければ…

私は今、ごく普通の女性としてまっとうな生活を送っていたに違いありません。

ちなみに恋人には私が社内奴隷生活を強いられるようになってすぐ、バレてしまいました。
けれどそれが彼の性癖に刺さったようで、おじさんとの関係を咎められる事もなく社内で何をさせられているのか報告しながらのセックスが日常になりました。

男性なんて何百、何千万といるのに。あまりにも残酷すぎる確率のせいで私は社内でザーメンに塗れる性奴隷生活を送るハメに。
この先私はどうなるのか、自分でも分かりませんが、少なくともこの状況を受け止めてしまっている時点で私はもう後戻りもできない、奴隷気質の真正マゾなのだと実感しています。