私が初めてウェット&メッシーを体験したのはほんの偶然、それも彼女とのケンカがきっかけでした。

“彼氏”ではなく“彼女”です。

私と彼女との関係は少し複雑です。彼女には旦那さんがいて、私には男の恋人“彼氏”もいます。
でも私達は付き合って一年になる女同士のカップルです。

彼女の旦那さんは単身赴任で一か月に一度帰ってくるかどうかで、長ければ三か月戻ってこない事もあるようです。
それをいい事に彼女と会う時はいつも彼女の自宅へ行き、本来なら彼女と旦那さんが寝るはずのベッドで女性同士の蜜事を繰り広げます。

この日も週末は一緒に過ごそうという事になり、土曜日の昼はショッピングモールをデートし、彼女の自宅で食事をした後は一緒にお風呂へ入り、裸を見たら我慢できなくなって貪るようにキスをし合って、体を弄り合って、少しのぼせて、お風呂から上がって、ベッドに転がり込んで、ネコの私は彼女の指と舌で散々イカされて。

蕩けてしまいそうな充足感と共に眠りに就くと起きたらもう朝で。
彼女はもう起きていて、ベッドには全裸の私が一人いるだけでした。

何気なくスマホを見ると、彼氏からのメッセージが入っていて、
“今日、○○へ行かない?”
と、デートの誘いでした。

彼女とは昨日丸一日過ごしたし、今日は何か予定を決めているわけじゃない。少し遅めの朝ごはんを彼女と一緒に食べて昼頃には彼氏のところへ行こうかなと考えながらダイニングへ向かうと、彼女はキッチンで朝ごはんの準備をしてくれているようでした。

朝ごはん、ホットケーキにするから。と、彼女は私の姿を見て言います。

「ありがとう。じゃあ今日は朝ごはん食べたら帰るね」
彼から連絡があったから、と言った時でした。

泡だて器でボウルの中身をかき回す手が止まり、こちらを睨みつける彼女がいます。
彼女の言い分はこうでした。

“週末は一緒に過ごせると聞いて日曜日の今日も一日一緒にいられると思ったのに何で?”
“予定を決めてなくても一緒にDVDを見るとか出来るでしょ?”
“後から誘われた彼を優先するなんて私は愛されてない!”

私が素直にごめん、と謝ればよかったのですがつい、昨日一日一緒に過ごしたのだからいいじゃない、と反論してしまいました。
それが彼女に火をつけてしまったようです。持っていた泡だて器が私に向かって飛んできました。
その拍子にこれからホットケーキになるはずのゆるい生地の飛沫を同時に浴びます。

彼女は特に生理前など少し情緒が不安定になる事がありました。そのタイミングがまさにこの日だったようです。
こうなるともう手が付けられなくて、生地の入ったボウルをはじめ、周りにあるものを手あたり次第投げつけてきます。
どうか包丁だけはやめてほしい…、と思いつつ彼女をなだめながらひたすら耐えます。生地を作るのに使ったであろう、小麦粉、牛乳、砂糖の容器まで投げつけられ、私は全身グチョグチョのドロドロです。

「ちょっ、ちょっと、本当にやめて!私が悪かったから!!」

最後に生卵をぶつけられたところで、彼女の手が止まりました。

“何その格好!”

彼女は生地まみれになった私の姿を見て笑い始めます。
こんなになったのは誰のせいだと理不尽に思う反面、やっと落ち着いてくれたという安堵と、その無邪気な笑顔に私はすぐ許してしまうのでした。

普通なら怒って手当たり次第物を投げつけてくる恋人なんて愛想を尽かしてもおかしくないと思います。何でそんな相手を許せるんだと思われるかもしれませんが、彼女には良いところもたくさんあるのです。
それに私はどちらかというとマゾ気質です。彼女が散々怒りを発散した後にとびきり優しくしてくれるギャップに私はこれ以上ない程の歓びを感じるのです。

この日もそうでした。
ごめんね、と彼女は私に歩み寄り私の顔に飛び散った生地の残骸を拭ってくれます。そして優しく口づけられ、侵入してきた舌で口内をゆっくりと犯されました。
まだ僅かに唇に残っていたであろう生地が互いの唾液に溶け合って、ふんわりと甘い風味が口の中に広がります。

こうなるともうダメでした。後は夢中になってキスを貪り合うだけです。同時に彼女の手が私の体を弄ります。ノーブラTシャツの上から私の乳房を掴み揉みしだいて、指の腹で乳首をこねて。
よくあるいつもの愛撫なのに、投げつけられた生卵のヌルヌルがいつもより刺激的で、いつも以上に乳首を尖らせる私。

明らかに普段よりもう興奮している私がいました。
そしてそれは彼女も同じだったようで。

“グチャグチャのヌルヌルって何かエロいね”

Tシャツの下から尖る乳首をさらに強い圧でこね回しながら彼女は私の顔を見つめます。彼女の顔は欲情しきっていました。でもきっとそれは私も同じで。

「はぁ…あっ…んっ…」

私はTシャツを脱がされ押し倒されたダイニングの床で露わになった乳房を揺らし喘ぎます。
素肌にはTシャツや床からかき集めたホットケーキになり損ねた残骸を塗りたくられて、その手つきとヌルつく感触が何だか極上の愛撫を受けているようで。

“何だかいつもより興奮してるね”

彼女はからかうように言うとヌルヌルベトベトになった指を私の下腹部に這わせます。

「はぅ…んっ」

彼女の指がクリトリスをかすめ、ワレメへと侵入していき。私の膣から溢れるヌルヌルと、食材のヌルヌルが混ざり合ってまたもうグチョグチョで。
私は夢中で腰を振らざるを得ませんでした。

昨夜散々イカされたのに。もうこれ以上イケないという程イカされたのに。翌朝また欲情して、彼女の指に縋り、強く締め付ける私がいて。

「はぁ…あぁんっ…もう…もぅ…ダメ…ダメ!ダメ!ダメ…!!」
「イク…イキそう…あっ…!あぁもう…私…イクゥゥゥ!!!」

私は彼女の指によって絶頂を迎えたのです。

結局この日は彼氏からの誘いを断り、彼女と夢中で求め合った後、あちこちに飛び散った生地や食材の掃除で一日が終わってしまいました。

「――で、この前は俺の誘いを断って彼女と何やってたの?」

それから数日後の事。
彼との夕食中にこのように切り出されました。
この日はお互いの休みが翌日だったので前日の夜、彼の部屋へ行き食事を作り、一緒に食べて泊まり、翌日デートをしよう。そんな流れでした。
ちなみにメニューはミートソースのパスタにポテトサラダです。

口調からは彼は怒っているというより、何をして過ごしていたのか興味がある、といった感じでした。
彼は私と彼女の関係を知っています。というより彼女を紹介してくれたのは彼なのです。

詳しく話すと長くなるので割愛しますが、簡単にいえば私がバイセクシャルなのを知った彼は、以前から知り合いだったという私と同じくバイの彼女を紹介してくれました。その代わり、彼女との行為は全て聞かせてほしい、というのが彼の希望でした。
本当は私と彼女の性行為に混じりたい願望があるみたいですが、彼女が嫌がるのでそれは叶わない。だったらせめて話だけでも聞かせてほしい、というのが彼の考えのようです。

私は先日、彼女との間にあった事を話しました。

「それってウェット&メッシープレイじゃん」

この前の行為にそんなプレイ名がある事を私はこの時初めて知りました。

「で、どんな感じだったの?いつもより興奮した?」

彼は興味津々といった感じで、詳しく聞いてきます。私は少し恥ずかしく思いながらもさらに詳しく話しました。そして思い出しながら体を疼かせました。

「じゃあ、今からまたやってみる?」

私が詳しく話し終えると彼は少し箸をつけただけのポテトサラダを手で掴み私の口元に押しつけました。
そして噛みつくようなキスをされます。
口内でポテトサラダと彼の舌が混ざり合って、口移しで食べ物を分け合い食べているような感覚でした。

彼は空いた方の手で私のブラのホックを外すと、ポテトサラダがまだべっとりと付いた手で私の乳房を弄ります。
先日のホットケーキの生地とは違う、ヌチャヌチャとした感触にまた全身に熱が灯りました。

あっという間に上半身を裸にされます。ポテトサラダがさらに追加され、上半身ポテトサラダ塗れに。そしてそれを舐め取るように彼の舌が素肌を這い回ります。
彼が彼女と違ったのは冷静なところでした。部屋は汚したくないからと床の上にバスタオルを敷いて再開です。

「折角だからミートパスタも乗せちゃうか」

と言うと、彼はお皿ごと私の体にパスタをぶちまけました。

「お前も腹減ってるだろ?食えよ」
と、手で鷲掴みにされ潰されたパスタを口の中に押し込まれます。
無理矢理食べさせられている感が私の被虐心を擽ります。
そんな私の姿を見て彼は何か思いついたようでした。彼はズボンと下着を脱ぎ、ペニスを露わにすると私の口元に近づけました。

「ねぇ。食いながらフェラしてよ」

パスタに続いて今度は彼のペニスが口の中に押し込まれます。
口の中に噛んで飲み込むものと、噛んではいけないものが同時に押し込まれると混乱してしまうものなのだなと、この時初めて知りました。
とりあえず、反射的に噛んではいけない方が優先され、私はパスタを舌の端で押し潰しつつ喉の奥へ送りました。そうする事で自然とペニスをディープスロートするような動きになってしまって。

「ははっ、意外と気持ちいいな」
彼は楽しそうに呟くと、腰を激しく前後させそのまま射精してしまいました。

「美味しい…」
精液パスタの味は今まで食べたどのパスタよりダントツにマズいのに、私の中のマゾの感情はそれを美味しいと認識し、味わうように飲み込みました。
彼はそんな私を見て満足そうな笑みを浮かべます。

「お前もイキたい?」
「…うん」
彼はイッたのに、私だけ中途半端な状態でおあずけを食らうなんて辛い、私は即答しました。
彼は少し考えた後、キッチンへ向かいました。冷蔵庫から何かを取り出して戻ってきたその手には納豆のパック。

「どうせやるならとことん汚したいよね」

彼は私の陰部に納豆をなすりつけ、それを手で押し広げます。
手のひらで撫で回しながら陰唇とクリトリスを愛撫されると、ヌチャヌチャという音と共に、納豆特有の匂いが漂います。

「臭せぇな。でもお前のマンコもたまにこんな臭いしてるからいいか」
さらっと傷つく事を言うところに彼の魅力を感じる私はやっぱりマゾだなと実感します。そんな私だから臭い納豆でイカされるというこのシチュエーションにも興奮を覚えてしまうのです。

「あはぁ…ん…気持ちいい…いいよぉ…」
私は自ら腰を振りながらよがりました。
彼の手の動きが早まります。納豆の粒がクリトリスに擦れるとそれだけでイキそうに…やがてクリトリスが充血し、張り詰める程に勃起して…

「ダメ…あぁもうイッちゃう…イクイクイッちゃうよぉぉぉ…!!!」

私はアソコを納豆塗れにされてイカされてしまいました。

「ああ、もう。汚ねぇ体だな。でも最高にエロいぞ」
さっき射精した彼のペニスは復活したようで、私はこの後彼のペニスでもイカされる事となりました。

まさか彼女とのケンカからこんなプレイが生まれるなんて思いもよりませんでしたが、今では彼女とも彼氏とも定期的に楽しむプレイにまでなりました。
もしこれを読んでやってみたいと思った方は、簡単に掃除が出来るようにレジャーシートやバスタオルを敷いて行なう事、あと着替えを忘れず用意しておく事をおすすめします。